JR九州は、BRT(バス高速輸送システム)による復旧を進めている日田彦山線の添田駅〜夜明駅・日田駅間について、開業時期や愛称、デザインイメージなどを決定しました。
BRTとして6年ぶり開業へ
2017年7月の九州北部豪雨により多数の線路被害が発生した同区間は列車が不通となり、現在もバスによる代行輸送が行われています。沿線自治体の福岡県添田町・東峰村と大分県日田市は当初、鉄道による復旧を希望していましたが、災害前から赤字線区であり、運行にかかる年間3億円近くの経費を単独で負担していくことにJR九州は難色を示していました。代替案としてBRTによる復旧が検討され、JR九州が主体となって利便性が高い運行を継続的に行うことで自治体と合意し、手つかずだった復旧工事は2020年8月にようやく着手されました。
日田彦山線BRTとしての開業は2023年夏の予定で、添田駅〜日田駅間の全運行区間のうち、彦山駅〜宝珠山駅間は線路敷跡に整備される専用道を走行します。利用者や地域住民だけでなく環境にも優しい交通機関となることを目指して「ひと、地域、みらいにやさしい」がコンセプトに掲げられ、「BRTひこぼしライン」の愛称が制定されました。地域に新たな魅力と輝きをつくり出す「日田“彦”山線の“星”」となるよう願いが込められているとのことで、ロゴマークには沿線の“やまなみ”と輝く“ひこぼし”、日田彦山線の撮影名所でもある“めがね橋”がデザイン化されています(路線図とデザインイメージ、復旧工事の状況は下図を参照)。
一部のBRT駅に設置される待合ブースには、地域の特色を表現するために温かみのある木材が活用されます。ブースのない駅には、緑豊かな沿線地域を表す「フォレストグリーン」を基調としたオリジナルの駅サインが設置されます。これらの基本デザインは、JR九州で建築業務を行っている若手社員を中心に構成したチームが担当し、地域とコミュニケーションを図りながら考案したとのことです。今後、開業に向けて導入車両や車両デザイン、運転時刻、BRT駅の設置場所などの詳細が決められ、順次発表していくとのことです。